俺が読んだ不動産の本には次のようなことが書かれていた。
・融資を申し込む銀行は現住所の最寄りの銀行か、物件所在地の銀行にせよ
・もしも銀行がエリア外であれば、そのエリア内に会社を作って法人で借りる方法もある
こういった融資のポイントは不動産の本ではほぼ必ず触れられているので、いくつか読んだらだいたい似たようなことが書いてあるよなーってすぐに把握できると思う。
最初に買おうとしたアパートは神奈川県の物件だった
アパートの融資を人生で初めて申し込んだのは5月の末頃で、5月病で一度死んだ学生が現実に目覚めて目に光を取り戻し、初夏の日差しが彼らを焼き尽くさんとギラついていた。
俺は大阪に住んでいるが、買おうとしているアパートは神奈川県のものだった。東京に住んでいる師匠の勧めで、その物件を買うことにしたのだ。
土地は2500万、建物が5500万くらいでたしか8000万円くらいの物件だったと思う。
3階建ての新築木造アパートで、25㎡の部屋が8部屋。横浜まで15分くらいの駅で徒歩15分くらいの物件だった。
利回りは8%後半だったと思う。
初めて購入する物件としてはかなり魅力的で、自分で見つけてきた物件じゃなかったけど、素人ながらも良い条件の物件だと思われた。
不動産会社が用意した買付証明書を記入し、FAXする。
シャチハタでもいいから印鑑を押してくれと言われたので、買付証明書に会社で使っている印鑑を押し、昼休みに会社のそばのファミリーマートからFAXで送信したときは興奮し、震えた。
なにせ8000万円の買い物をしようとしているのだから。
8000万円と言ったらわかりやすく言えば、去年競り落とされた初競りのマグロの1/4弱くらいになる。すぐに想像がつくだろう。
買付証明書にはローン特約をいれている。
これは買いますけど、銀行の融資がつかなければ買いませんからねー!あっかんべー!
という意味である。
最初に申し込んだ銀行は大手都市銀行だった
大手都市銀行の素晴らしいところは全国どこでも支店があり、営業範囲に制限がないというところだ。
おまけに金利も安く1%を切る人もいるらしい。住宅ローン並よね。
不動産会社の人からその都市銀行が不動産融資に積極的だという話を聞いていた。おまけにその不動産会社が大阪のとある支店の支店長と知り合いらしい。
俺の属性をさっそく不動産が会社が送ってくれるとのこと。
年収、保有資産、今回の物件の資料・・・。
銀行に提出する資料はこのセットなんだなとこの時のやりとりで学んだ。
多少違いはあれど、概ねどこの銀行も同じだった。
・貸しても大丈夫な奴かどうかを判断する収入や、資産、借り入れに関する資料
・物件自体が儲かるのかどうか、物件に担保価値があるのかどうかを証明する資料
この2種類になる。
返事はすぐに返ってきた。
「融資はできません」
この時、本当に金融機関の融資が閉まっていて、都市銀行は不動産なんてあり得ないという雰囲気だった。これは今この記事を書いている2019年12月でもきっと同じだろう。
この状況でも借りている人はいる。
それは自己資金を豊富に持っていたり(この銀行は5000万以上とのこと)、以前から取引が既にある大家さんだ。
不動産をはじめようと思っている人の中にこんな人がいると思う。
東京オリンピックが終わった頃に土地の値段が下がるからきっと安くなるはずだ。
買うならその時だな
俺はこれはなかなか難しいと思っている。そんな景気悪くなる入り口みたいな状況だと金融機関はますます引き締めるんじゃないだろうか。
そんなときにこれから不動産をはじめますみたいな小僧に銀行はお金を貸してくれないんじゃないかって思ってる。少額でもいいので、金融機関とお取引実績をつくっておき、家賃で返済できる能力がある大家だと思われていたほうが、不況のときに有利に働くと俺は考えているんだよね。
きっと現金でアパート一棟買えるような資産の人は不況だと安く手に入るけど、借り入れなしで自己資金のみで大きいアパートを買うのは、現金の使い方としてもったいないと思う。
利回り20%くらいなら良いと思うけども。
次に申し込んだのは神奈川にある大手地銀だった
ここは神奈川がメインの銀行なんだけど、ホームページをみると大阪にも支店がある。俺はさっそく大阪の支店に電話して融資の相談をした。
俺は本業は営業マンなので、面談にこぎつけさえすればプレゼンを展開する自身があった。物件の利回り、家賃は複数の不動産会社に聞きこみして調査、駅からの近さやスーパーなどの利便性などなど、流れるように説明し、「ひっひ~!初心者とは思えない!ぜ、ぜひ借りてくださいぶひ~」みたいに金融機関担当者がひれ伏すことであろう。
なんせ俺の年収1500万あるんだから。俺に貸さないで誰に貸すんだよ。
そんな妄想をしながら大阪の支店に電話したのに、電話口で言われた言葉は・・・
「融資はできません」
住んでいるところも、物件も神奈川にないと駄目なんだという。いったいお前らはなんのために大阪に支店を出してんだ!そう言いたかったけど、もちろんもっと大きな会社に融資をするためだ。イキり倒した中途半端なサラリーマンなど、相手にするためではない。
このときに俺は本に書いてある内容と現実は違うことを学んだ。
おそらく千葉県に住んでいる人が神奈川の銀行を使うことはできただろう。でも大阪だとさすがに遠すぎる。
銀行の担当者が、わざわざ大阪にチェックしに来て借り主がちゃんとしているかどうか判断しないといけない。いざとなったらすぐに会える必要がある。そして物件も見に行ける距離じゃないといけない。
金融機関の営業エリアじゃないとお金を貸せないというのはそういった事情によるものなのだ。
このままだとせっかく好スタートをきれそうなのに、融資がおりない。
おりないどころか面談すらしてもらえない。
そんな途方にくれている俺に面談をしてくれたのは意外な金融機関だった。
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なぜかスマニュー砲でめちゃくちゃ読まれました