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【記憶の断片】小1の夏休み

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なぜかぼくは家族と話したくなくて、全開にした助手席の窓から少し肘を出して、腕にあごをのせ、ずっと海を見ていた。

生暖かい潮風が頬に触れ、後部座席の、やはり全開の窓へと通り過ぎていく。

 

なぜ、ふいに幼い自分のことを思い出したのかわからない。

俺があと数日で40歳となり、人生の折り返し地点を迎えることでやや感傷的な気分になっているのかもしれない。

 

助手席の窓からは、海沿いのガードレールが後ろへ後ろへと流れる景色と、もうひとつはサイドミラーに映る自分の顔が見えた。

お盆休みだったのだろう。

ぼくの真っ黒に日焼けした顔はところどころ皮膚が醜く剥がれている。

アトピー性皮膚炎のせいだ。

チョコやアイスを食べるとアトピーがひどくなると両親が信じていたせいで、好きなおやつを食べることは制限されていた。

実際はのちにわかるのだが、母親が掃除が苦手で、ハウスダストが原因だったのだけど。

ぼくはずっと自分の剥がれた皮膚を睨みつけるように眺めていた。

会話もなく、ガソリンを節約するため?にエアコンを切られた蒸し暑い車内に家族の幸せは感じられなかった。

ぼくの態度が悪いので、家族の会話がなかったのかもしれない。

無性にぼくは不機嫌だったのだ。

いまから思えば自分が不機嫌だった理由はいくつか思い当たる。

アクセルを最後まで踏んでも80キロしか出ない軽自動車や、お菓子をたべられないこと。お菓子を我慢しているのに、いっこうにアトピーがよくならないこと。お金がなかったので、高速道路をつかわずに、親父の田舎である鳥取県まで下道で6時間かけてむかっていること。夏休みに友達と遊んでいたかったのに、行きたくもないおじいちゃんの家に向かわないといけないこと。走れど走れど同じ景色しかみえないこと。車内に流れる音楽は親父の趣味で聞いたこともないださい歌謡曲だということ。自分の後ろからやってきた格好いい車があっという間にぼくたちを抜き去って見えなくなってしまうこと。

 

裕福ではなかったのだ。

食べるのに困ることはなかったけど、子供の頃はそれが幸せなことだと気付かない。

ぼくはただただ小学校1年生の身体に小さな不満を溜め込んでいた。

 

あの時の寂寞とした、コップの底の氷がだんだん小さく溶けていってしまうような気持ちを、なぜ今になって思い出すのか。

 

ふいに思い出したあの時の記憶の断片を、40歳となる前にどうしても残しておかないといけないと思った。

 

幼い頃に体験した裕福では無いという劣等感は今の自分へと至るルーツに違いない。

 

 

 

ひとつだけはっきりと言えることがある。

夜に書いているこの文章はきっと明日の朝に読むと恥ずかしい。

きっと死にたくなるほど恥ずかしい。

しかしこれもまた、ひとつの笑いの形なのである。

 

 

 

もうええわ

 

 

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