なぜかぼくは家族と話したくなくて、全開にした助手席の窓から少し肘を出して、腕にあごをのせ、ずっと海を見ていた。 生暖かい潮風が頬に触れ、後部座席の、やはり全開の窓へと通り過ぎていく。 なぜ、ふいに幼い自分のことを思い出したのかわからない。 俺…
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